弱い米指標のあとでドルが買われました。原油とイランの話です
- 米8月ISM製造業の雇用指数と7月のJOLTS求人がそろって予想割れ。それでもドル円は159円50銭台から160円28銭付近まで戻し、前日比0.3%ほどの上昇で夜を終えました
- 今朝の東京は160円10銭から160円39銭。同じ時間にユーロドルもポンドドルも下げていて、円が売られたというよりドルが買われている形です
夜のあいだに二回、方向が変わりました。前半は指標が弱くてドル売り、後半は原油が跳ねてドル買い。同じ夜のうちに理由が入れ替わったので、順番に並べておきます。
指標は弱かったのに
まず数字のほうから。米8月ISM製造業景況指数のうち雇用の項目が市場予想を下回り、7月のJOLTS求人件数も予想に届きませんでした。外為どっとコムはこの二つを並べて、労働市場の回復が期待ほど進んでいないことを示す内容だったと書いています。素直に読めばドル売りの材料です。実際、ドル円は一時159円50銭台まで沈みました。
そこで終わらなかったのが昨夜です。米国がイランへの空爆を再開したと伝わって原油価格が急騰し、インフレがまた上を向くという話から米長期金利が上昇しました。流れは有事のドル買いに変わり、ドル円は160円28銭付近まで戻した。弱い雇用の話は、一晩のうちに後ろへ押しやられています。
円が売られた朝ではありません
ここは自分でも確かめました。今朝10時台のドル円が160円37銭、前日の終値が160円14銭なので23銭ほどの上げです。同じ時間、ユーロドルは1.1581ドルで前日の1.1593ドルより下、ポンドドルも1.3503ドルで1.3519ドルより下。ポンド円はほとんど動いていません。三つ並べると、円が嫌われたのではなくドルが全面的に買われているのが見えます。主語を取り違えると、このあとの見立てが全部ずれます。
今夜のADP、そして金曜
今日の山は21時15分の米8月ADP全国雇用者数です。金曜4日の雇用統計の前哨戦という位置づけで、ダイヤモンド・ザイに載っていた予想は4万8000人増でした。厄介なのは、昨夜すでに雇用まわりの弱い数字が二つ出ていることです。ADPまで弱ければ三つ目になります。
それでもドルが下がらないなら、いまの相場は雇用より原油と金利を見ているという答えになる。逆にADPで素直にドルが売られるなら、昨夜のドル買いは地政学の上乗せだった、ということです。どちらなのかが今夜はっきりします。
読めていないところ
空爆の報道でどこまで原油が走るのかは、私には分かりません。地政学の値動きは、続くときは何日も続きますし、翌日にきれいに戻ることもある。昨夜のドル買いのうち、どこまでが金利でどこからが不安なのかを分けられるのは、たぶんずっとあとです。カレンダーの9月分を直しているうちに夜が明けました。今日はここまでにします。
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