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相場分析

日銀の9月利上げを8割織り込んでも円は買われず、160円が近づいています

USD/JPY 8月14日 8時台(東京)159.48+0.1%
この記事のポイント
  • 14日8時30分時点のドル円は159円47銭から49銭前後。前日17時と比べて11銭の円安になったと日経が伝えている
  • 米7月PPIは前日のCPI同様にインフレの落ち着きを示し、短期金融市場ではFRBの9月利上げ確率が30%程度まで後退したそうだ
  • 日銀については9月利上げを市場が8割近く織り込んでいると報じられている。それでも円は売られ、160円をうかがう展開が続いている

今週は面白い形になっています。米国のインフレ指標はCPIもPPIも落ち着きを示して、FRBの9月利上げ観測は後退した。日銀のほうは9月か10月に利上げという報道が出て、市場は9月をほぼ織り込んでいる。金利差の話だけなら、円は買われていいはずです。ところが14日朝のドル円は159円40銭台で、160円に手が届く位置にいます。夜通し見ていて何度か首をかしげました。

1. 14日朝の位置

日本時間6時の時点で159円51銭前後、8時30分で159円47銭から49銭前後だったと伝えられています。前日17時と比べれば11銭の円安です。9時台には一度159円40銭まで押しましたが、そこから大きくは崩れていません。対ユーロでも円は安いそうなので、ドルが強いというより円が弱い日です。

前夜のニューヨークでは、PPIの発表直後に159円台前半まで下げたあと、すぐ切り返して159円台半ばに戻ったと報じられています。指標でいったん売られて、30分もしないうちに買い戻される。この形は前日のCPIの夜とほぼ同じでした。2晩続けて同じ動きをしたということは、指標をきっかけにした売りが、そもそも長く持てない状態にあるのだと思います。

2. 利上げを織り込んだあとの円

外為どっとコムによれば、市場は日銀の9月利上げを8割近く織り込んでいて、焦点はすでに利上げのペースに移っているそうです。政府が利上げを支持しているという報道も出たものの、値段への影響は限られたと伝えられています。

ここが今のドル円のいちばん厄介な部分です。利上げそのものはもう値段に入っている。だから9月に本当に上げても、それは予定どおりの出来事として通り過ぎる可能性がある。円が買われるとしたら、上げた事実ではなく「思ったより速いペースで上げそうだ」という材料が出たときです。8割織り込みという数字を見たときに、私が最初に考えたのはそこでした。

同じことがFRB側にも言えます。9月利上げの確率は30%程度まで下がったそうですが、下がったのは9月というタイミングの確率であって、利上げそのものが消えたわけではないと市場は読んでいるようです。イングランド銀行は年内1回の利上げを完全に織り込み、ECBも9月の追加利上げ観測が強いと伝えられています。主要国がそろって金利を上げる方向を向いている中では、日銀が上げても相対的な差はあまり縮まりません。円だけが弱いのは、たぶんそういう構図です。

3. 今夜の小売売上高と160円

今日の材料は米7月の小売売上高です。CPIとPPIがそろってインフレの鈍化を示したあとなので、ここで消費が強く出ると話が少しややこしくなります。物価は落ち着いたが消費は元気、つまりインフレが再び持ち上がる余地がある、という読み方ができるからです。予想を上回ればそのまま160円を試す動きになりそうだと外為どっとコムは見ています。予想レンジは158円80銭から160円20銭あたりでした。

160円という数字については、これまで何度か書いたとおりです。7月末に日米が協調で介入した水準からまだ遠くありませんし、片山財務相の追加介入も躊躇しないという発言は取り消されていません。数字の節目としても分かりやすいので、当局が見ていないはずはないと思っています。

月末の予定も頭に置いておきたいところです。今月下旬のジャクソンホール会議でウォーシュ議長が何を話すかに注目が集まっているそうで、9月FOMCまでには8月分の雇用と物価のデータも出ます。今の160円手前は、その材料待ちの間に押し上げられている水準という見方もできます。私は上を追いかけるより、押した場面を拾うほうが気が楽です。

160円トライ小売売上高が予想を上回れば160円が視野。ただし節目の上抜け直後は当局の警戒が最も近い。
159円台の膠着指標が予想並みなら159円台半ばで動きにくい。ジャクソンホール待ちの週末に入りやすい。
158円台へ消費の弱さが出ればドル売りが続く可能性。日銀の利上げペースを速める報道が重なると加速しやすい。
ヨル教授メモ: 織り込み済みという言葉には気をつけています。8割織り込みと聞くと、残りの2割で動く分しか値幅がないように思えますが、実際はそうならないことが多いです。予想どおりに利上げが決まった瞬間に、材料待ちで止まっていた人がまとめて動くからです。上げた事実で円が買われるのではなく、上げたあとに何を言うかで動く。会合の日は、結果よりも会見のほうを見ています。もう一つ、今週のように指標で下げてすぐ戻る夜が続いたときは、指標をきっかけに逆張りするのをやめています。2晩続けて同じ形が出たなら、3晩目も同じになる確率のほうが高い。値動きの理屈を考えるのは翌朝でいいと私は思っています。
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タグ: ドル円日銀米小売売上高
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