CPIは予想どおりで終わり、今のドル円は中東の見出しで動いています
- 米7月CPIは前月比0.1%、前年比3.4%、コアは前月比0.2%で前年比2.5%。事前予想とすべて一致したと報じられている
- 12日の欧州時間に158円56銭まで急落したあと、米イランの停戦延長という報道で159円台へ戻り、NY時間には159円54銭まで上昇した
- 7月30日から8月3日の介入による下げ幅に対する半値戻しが159円48銭あたり。次の目安は61.8%戻しの160円台半ばと見られている
昨夜のCPIは、ある意味でいちばん退屈な形で終わりました。前月比0.1%、前年比3.4%、コアが前月比0.2%で前年比2.5%。私が前日の記事で1本だけ見ると書いたコアの前月比も、0.2%の予想どおりでした。発表の瞬間はドル売りで反応したものの、その動きは長くは続かず、13日の東京朝には159円台半ばに戻っています。数字が予想と同じだった夜に何が起きるかを見ておくのは、次の指標のための練習になります。
1. 予想と一致した夜の値動き
発表直後、ドル円は一度円高に振れたと伝えられています。利上げ観測が後退したという解釈でドルが売られた形です。ところがその円高は一巡し、NY時間の終盤にかけて159円54銭まで買い戻されました。前日終値と比べれば、結局は円安で終わったことになります。
予想と一致した指標で相場が動かないのは、当たり前のようでいて少し違います。動かないのではなく、指標を材料にしていた持ち高が全部いなくなるだけです。CPIを待って様子を見ていた売りも買いも、結果が出た時点で理由を失って外れる。そのあとに残った値段は、指標とは関係のない別の材料で決まります。昨夜はそれがきれいに出ました。
だから発表から30分たった時点の値段を、CPIの答えとして読まないほうがいいと私は思っています。あの時間帯に効いていたのは別の話です。
2. 中東の見出しとドル買い
12日の欧州時間、ドル円はいったん158円56銭まで急落しました。この下げを戻したのは、米国とイランが60日間の停戦延長で合意したという報道だそうです。ただしこれは公式発表ではなく、噂の段階の情報だったと伝えられています。そのあとイラン側の強硬な姿勢が伝わると、今度は逆にドルが買われました。
ここが今の相場のややこしいところで、中東のニュースは円にもドルにも同じ方向には効きません。緊張が高まればリスクを避けて円が買われる理屈もあるし、有事にはとりあえずドルという買い方もあります。昨夜は後者が勝ちました。どちらが勝つかを事前に当てるのは、正直むずかしいと思っています。
実務として困るのは、この手の材料が予定表に載っていないことです。CPIなら21時30分と分かっているので身構えられますが、停戦延長の報道は何時に出るか分かりません。しかも噂の段階で値段が飛び、公式に否定されて戻ることもある。指標の日より、こういう日のほうが逆指値は滑ります。
3. 半値戻しと160円までの距離
テクニカルの話をひとつだけ。7月30日から8月3日にかけての協調介入でドル円は大きく下げましたが、その下げ幅の半分をすでに戻したと外為どっとコムが伝えています。半値戻しの水準が159円48銭あたりで、今朝はそこに届いた形です。次の目安は61.8%戻しの160円台半ばとされています。
戻り幅としてはかなり進んでいます。7月末に日米が協調して入った水準まで、あと1円もありません。今日の予想レンジは158円60銭から160円20銭あたりと出ていました。上限を素直に信じるなら、160円は今日にも触れる距離です。
ただし160円の手前が素直に上がりにくいのは、これまで何度か書いたとおりです。片山財務相は追加介入も躊躇しないと述べたと報じられていて、その発言はまだ生きています。中東の見出しで一気に飛ぶ形は、当局がいちばん嫌う速さで動きます。上に付いていくつもりなら、そこは織り込んでおきたいところです。
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