CPIを前に円が78銭戻った朝、これは方向より在庫の話だと思います
- 12日朝7時のドル円は159円26銭、前日同時刻から78銭のドル安円高と伝えられている
- 米国の7月CPIは日本時間13日の未明に発表。市場予想はコアの前年比2.5%、前月比0.2%あたり
- 160円に近づくほど当局の追加介入が意識される。上を試すなら指標の結果を見てから、という形になりやすい
12日の朝7時ごろにレートを見たら、ドル円は159円26銭でした。前日の同じ時刻から78銭のドル安、向きでいえば円高です。ここ数日は159円台に貼り付いたまま160円をうかがう形が続いていたので、一晩だけ流れが逆を向いたことになります。ただ、これを転換と受け取るのは早いと私は思っています。今晩、正確には日本時間13日の未明に、米国の7月CPIが出るからです。
1. 78銭の戻りの中身
78銭という幅は、正直そこまで大きくありません。ここ数日のドル円は日中で1円以上振れる日が続いていたので、その基準でいえば小さい部類です。値幅の大きさより、戻った理由のほうが今日は大事だと思っています。
8月に入ってからの円は主要通貨の中で最も弱かったと報じられていました。つまり市場には円売りの持ち高がそれなりに積み上がっている状態です。積み上がったものを指標の前に一部だけ畳めば、新しい材料が何もなくても円は買われます。今朝の78銭は、その整理の分が大きいと私は見ています。
指標の前に持ち高を軽くするのは、方向を予想しているからではありません。当たり外れの前に、自分が耐えられない値幅を先に減らしておくだけの作業です。だから指標前の巻き戻しは、そのあとの方向の予告にはなりません。ここを取り違えると、発表の瞬間に逆を向いて驚くことになります。
2. 13日未明のCPI
市場予想として伝えられているのは、総合の前年比が3.5%で6月から横ばい、前月比がプラス0.2%、コアの前年比が2.5%、コアの前月比がプラス0.2%あたりです。6月の総合前月比はマイナス0.4%だったそうなので、そこからプラスに戻る見込みということになります。
私が見るのはコアの前月比の1本だけです。9日の記事にも書きましたが、4つ並んだ数字を上から順に読んでいると、読み終わる頃には相場は動き終わっています。0.2%の予想が0.3%になるのか0.1%になるのか、そこだけ先に決めておけば足ります。
上振れれば、利上げが長引くという話が戻ってきてドルが買われ、160円が近づきます。下振れればドルが売られて160円から遠のく。当局にとっては後者のほうが都合がいいはずですが、こればかりは数字次第です。サービス価格の粘り方が今回の注目材料だと伝えられています。
3. 160円と当局の距離
片山財務相は8月初めに、さらなる協調介入も躊躇しないと述べたと日経が報じていました。7月末の日米協調介入は2011年以来だそうで、あれをもう一度やる用意があると言っている以上、160円の手前は素直に上がりにくい場所です。
厄介なのは、CPIで飛んだときの速度です。指標の直後は数十秒で数十銭動きます。当局が問題にするのは水準よりその速さなので、CPI上振れで160円を勢いよく抜ける形は、いちばん介入を呼びやすい形になります。上に付いていくつもりなら、そこまで込みで考えておきたいところです。
逆に言えば、数字が予想どおりだった場合はほとんど何も起きません。発表直後の数十分だけ動いて、あとは159円台のもみ合いに戻る。今週の山はこの一晩で、そこを越えたら金曜まではあまり材料がない見立てです。
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