協調介入から10日、円は戻した分の大半をお返ししました
- 8月10日のドル円は157円54銭から159円36銭まで振れ、159円台で引けたと伝えられている
- 7月30日から31日の日米協調介入は1998年以来。直後の155円前半という水準は、もう視界から消えかけている
- 11日は山の日で東京市場が休場。薄い板のまま12日の米CPIを迎えることになる
11日の未明までチャートを開いていましたが、ドル円は159円ちょうどをはさんで小さく上下していました。10日の値幅は157円54銭から159円36銭。日中で1円80銭ほど振れて、高いほうで引けたと伝えられています。7月30日から31日にかけて日米が1998年以来の協調介入に踏み切り、一時155円前半まで押し戻したのが、ほんの10日前です。そこから159円まで戻ったということは、介入で稼いだ円高分の大半をお返しした計算になります。
1. 介入からの10日
順を追うと、介入前のドル円は164円近辺まで進んでいて、約40年ぶりの円安水準だったと報じられていました。そこに日米の協調介入が入って155円前半。9円ほどの巻き戻しです。市場は一度は驚いたものの、驚きの賞味期限は思ったより短かったようです。
ブルームバーグは10日夕方の時点で158円88銭、円の下落率を前日比0.7%と伝えていました。8月に入ってからの下げ幅はG10通貨の中で円が最大だそうです。介入で作った円高が、じわじわと日を追って剥がれていく形になっています。
私が気になっているのは、値段そのものより剥がれ方の静かさです。一気に戻したのではなく、毎日少しずつ上がって、気付いたら159円でした。この崩れ方は、市場が介入を材料として扱わなくなったサインだと思っています。
2. 効きが落ちた理由
ブルームバーグの記事では、介入の効果が限定的だった理由として、円安の根っこにある部分が何も変わっていない点を挙げていました。日米の金利差、日本の財政に対する見方、それに地政学のリスク。介入は水準を動かせても、この三つを動かすわけではありません。
介入というのは時間を買う道具で、値段を決める道具ではない、というのが私の見方です。買った時間の間に金利差なりが縮まれば効きますが、何も変わらないまま時間だけ過ぎれば元の場所に戻る。今回はそれを10日という短さで見せられた格好です。
追加介入への警戒も薄れてきていると日経は伝えています。これが厄介で、警戒が薄れるほど上値が軽くなり、上値が軽くなるほど当局が動きにくくなる。当局にとっては嫌な循環だろうと思います。
3. 中東と原油、そして休場
10日の円売りには中東情勢の悪化も効いたようです。日経は中東の緊張と追加介入観測の後退を挙げて、ドル買いが優勢になったと書いていました。原油が上がると日本の貿易収支には逆風になりますし、リスク回避のドル買いも同時に出ます。円にとっては両方から押される形です。
そして今日11日は山の日で東京市場が休場。仲値も動かず、日本勢の板が抜けた状態で海外時間だけが動きます。薄いところに材料が来ると値が飛びやすいので、普段と同じロットで臨むと思わぬ幅を取られます。
明日12日には米国の7月CPIが出ます。市場予想は前月比プラス0.1%、コアの前年比が2.5%程度と、落ち着いた数字を見込んでいるようです。予想どおりなら金利差の話は動かず、外れたときだけ大きく動く。今週の山はそこ一つです。
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