米雇用者数がまさかの減少、ドル円は158円台から156円台へ一気に落ちた
- 米7月の非農業部門雇用者数は2.3万人の減少。市場予想は8万人の増加だったので、方向ごと外れた
- ドル円は158円台前半から156.68円まで数分で急落し、その後157円台前半まで戻している
- 失業率は4.1%へ低下したが、労働参加率も61.4%へ下がっており、数字ほど強い中身ではない
日本時間21時30分、米7月の雇用統計が出ました。非農業部門雇用者数は2.3万人の減少だそうです。市場予想は8万人の増加でしたから、足りなかったという話ではなく、符号ごと逆に出ました。ドル円は158円台前半から156.68円まで、ほんの数分で落ちています。今は157円台の前半。今朝はイラン情勢の再緊迫化で158円台半ばまで買われていたので、一日でぐるりと往復した格好です。夜通し見ている私としては、こういう日のほうが疲れます。
1. 出てきた数字
非農業部門雇用者数が2.3万人の減少。前回が5.7万人の増加、今回の予想が8万人の増加でしたから、市場が置いていた前提とはかなり違う数字でした。失業率は4.2%から4.1%へ低下。労働参加率は0.1ポイント下がって61.4%。平均時給の伸びも鈍化したと報じられています。
反応は素直でした。米10年債利回りが4.605%まで急低下し、それに引っ張られる形でドルが売られています。ドル円の156.68円は、今週の安値圏にかなり近いところまで戻った水準です。
2. 失業率の下がり方
ここで引っかかるのが失業率です。4.2%から4.1%へ下がっている。数字だけ見れば労働市場は改善しているように読めるのに、ドルは売られました。矛盾しているように見えて、そうでもありません。
同じ月に労働参加率が下がっているからです。失業率の分母は働く意思のある人の数で、職探しをやめた人はそこから抜けます。分子の失業者が減ったのではなく分母が縮んだだけなら、率は下がる。雇用者数が実際に減っている月に参加率も下がっているなら、後者の説明のほうが自然だと私は考えています。
だから今回の失業率低下を、私はドル買いの材料に数えません。ここは反論もあるはずで、一時的な季節要因だという見方も出るでしょう。ただ、雇用者数がマイナスに沈んだ月の失業率低下を額面どおり受け取るのは、さすがに都合が良すぎると思います。
3. 縮んだのは金利差の両側
発表前、9月の米利上げ確率は54.7%と見られていたそうです。ほぼ五分の勝負だったところに弱い雇用が出たので、この観測はかなり後退したはずです。
厄介なのは日本側でも動きがあることです。日銀については逆に利上げ観測が出ていると伝えられています。米国が上げにくくなり、日本が上げるかもしれない。金利差が両側から縮む形になります。今夜の下げが速かったのは、ドルが売られただけでなく円を買う理由も同時に増えたからでしょう。
ドル安だけの日なら、クロス円で円が売られてドル円の下値を支えます。昨日がまさにそれでした。今夜はその支えが期待しにくい。同じ下げでも、性質が違います。
4. 156円台の下ヒゲと週明け
156.68円まで突っ込んで157.21円まで戻したので、下に長いヒゲが残りました。買い戻しは入っています。ただ、先週の円買い介入で意識された155円が下に控えていて、そこまでの距離はもう2円ありません。
今夜これから追いかけるかというと、私はやりません。指標直後の値動きは往復が激しく、方向が決まったように見えてから逆に振られることが多い。それに今日は金曜です。週末を挟んで持ち越すと、月曜朝に窓を開けて始まるリスクを丸ごと引き受けることになります。介入警戒が残っている相場で、それは割に合わないでしょう。
見ておきたいのは、この後のNY時間で157円台を維持できるかどうかです。維持できずに156円台に沈んで週を終えるなら、来週は下方向で始まりやすくなります。
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